2018年(平成30年)の障害者総合支援法改正では、現行制度の隙間を補う、きめ細やかな改正が行われた。法改正された項目のうち、主要5項目を取り上げて解説する。

【目次】

①自立する障害者をサポート/自立生活援助
②一般就労者をサポート/就労定着支援
③病院へも訪問可能に/重度訪問介護
④高齢障害者をサポート/共生型サービス
⑤自宅へ訪問可能/居宅訪問型児童発達支援
⑥まとめ

①自立する障害者をサポート/自立生活援助

障害者施設、グループホームなどを退所し、自立して一人暮らしをする障害者をサポートするのが新しい障害福祉サービスである自立生活援助だ。自立生活援助では支援員が障害者を定期巡回し、相談対応するなどで日常生活をサポートする。

②一般就労者をサポート/就労定着支援

就労移行支援事業所などから一般への就労が実現できた障害者をサポートするのが、就労定着支援だ。就労定着支援では、障害者の勤務先事業所と連絡調整を行い、また障害者本人の日常生活のリズムづくりなどをサポートする。

③病院へも訪問可能に/重度訪問介護

改正前の重度訪問介護は障害者宅への訪問による身体介護が原則であったため、当該障害者が入院などで自宅を離れると、介護サービスの提供が出来なかった。法改正では重度訪問介護の訪問先に医療機関が加わったため、慣れ親しんだヘルパーの介護を入院先などで引き続き受けることができる。

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④高齢障害者をサポート/共生型サービス

改正前の制度では障害者が65歳になるのを区切りに、障害福祉サービスから介護保険に切り替わった。法改正では従前の介護サービスを提供する障害福祉事業所が、継続的に介護サービスを提供するため、新たに創設された共生型サービスの指定を受けることができることになった。

⑤自宅へ訪問可能/居宅訪問型児童発達支援

居宅訪問型児童発達支援制度では、通所が困難な障害児向けに、在宅で支援が受けられるように制度が作られた。これにより、教育・保育・診療・看護などのサービスが在宅で受けられるようになった。

⑥まとめ

今回の障害者総合支援法の改正テーマは、「自立の支援」、「隙間の課題克服」にあると言えそうだ。障害者施設から地域生活(グループホーム等)、その後一人暮らしへ移行。就労支援事業所を経由して、一般企業へ就職。問題はそのあと。福祉サービスの守備範囲は「そのあと」に広がりつつある。福祉の専門家として法改正を正しくフォローアップし、適切なサポートに繋げたいと切に願う。

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【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)