偏重した消費者教育に警鐘を鳴らしたい。

そのような思いから、本コラムでは経営者として留意すべき契約締結の注意点について記載する。

《目次》
1.消費者保護の歴史
2.インターネットと消費者
3.モンスター消費者に対する対処法
4.まとめ

1.消費者保護の歴史

明治29年制定の民法では契約の履行義務が定められている。一度契約締結に至ったならば、安易にそれを反故にすることはできない。

いかにも武骨な規定ではあるが、これこそが本来「契約」のあるべき姿である。

民法制定から時は流れ、社会構造は複雑に変化する。

そのような情勢下で、一消費者と事業者を対等の立場で論ずるに不合理が生じずる。そこで民法に対する特別法が成立した。特定商取引法(S51年)、消費者契約法である(H12年)である。

一定の条件を備えれば、契約締結後といえども消費者は契約の解除ができる。消費者と事業者の情報力の差を埋める法律である。

2.インターネットと消費者

さらに時代は進む。IT端末の普及と高速インターネット回線により一部の消費者は中小事業者を凌ぐ情報力を備えている。

中にはその力を不当に行使するいわゆる「過剰要求消費者」も存在する。経営者は肥大化した消費者のパワーに対して、常に予防線を張っておく必要がある。

3.過剰要求消費者に対する対処法

過剰要求消費者に遭遇した際の駆け込み寺は今のところ存在しない。つまり国は中小事業主を保護する施策を備えていない。最も有効な対処法は、そもそも契約しないことである。

問題発生から解決までの労力を考えると、契約を締結しないに越したことはない。そのために必要なのは、顧客を選ぶ事の出来る余裕と選別眼である。

その上で相手を怒らせることなく、契約未成立に持ち込む手法を考えるべきなのである。

4.まとめ

国は依然として、消費者保護の姿勢を崩さない。中小企業を支援する当事務所の立場としては、消費者保護に偏重する政策には断固反対である。

当事務所の顧問サービスでは、社内の労務管理のみならず、契約締結に関する法務相談にも対応しているので、是非ご活用いただきたい。

 

【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
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 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)