大阪の社会保険労務士_役員と選択制確定拠出年金

選択制確定拠出年金の加入要件は以下の通りです。

・厚生年金の被保険者
・60歳未満
・加入を希望すること

よって、役員も例外なく選択制確定拠出年金(401K)に加入することができます。しかし、役員以外の方と異なり税務上の取り扱いが異なるため、下記の注意が必要です。

 

役員の給与は税務上「役員報酬」

1.役員は雇用契約ではなく委任契約

会社の役員、つまり登記上取締役等に就任している場合、会社との契約は雇用契約ではなく「委任契約」です。

つまり「労働の対価」として給与を得ているのではなく、「会社(株主)から委任」されて業務を執り行っている訳です。

役員に支払われる給与の事を税務上は、「役員報酬」と呼びます。

2.役員の給与は定期同額が原則

法人税法上、役員報酬は「定期同額」が原則です。つまり一般従業員のように業務の多寡で報酬が変動することはありません。

また役員報酬の増減が、会社自体の損益調整につながると、法人税を不当に調整することができるため、期中の変更は原則認められていません。

3.役員報酬の変更は原則、年1回

以上のことから役員報酬の変更は原則として年1回に限られています。

そのタイミングは決算日から3ヶ月以内です。定時株主総会の開催期限に合わせて定められている訳です。

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役員が選択制確定拠出年金(401K)に加入する場合の注意点

1.選択制確定拠出年金(401K)は給与の選択減額が前提

選択制確定拠出年金(401K)の特徴は、加入者本人が自分の額面給与から掛金を拠出することです。

そのことにより、社会保険料の削減、所得税・住民税の削減など様々なメリットが生じます。

役員に関して言うと、自らの「役員報酬を減額する」という結果を生じてしまうわけです。

2.役員が選択制確定拠出年金(401K)に加入する場合のポイント

具体的なケースで考えてみましょう。月額50万円の報酬を得ている役員が、毎月3万円選択制確定拠出年金(401K)へ拠出すると下表のようになります。

   加入前 加入後
 役員報酬 500,000 470,000
 拠出金 30,000

月額役員報酬が下がっているのが分かります。

※拠出額を含めた総額が本人への委任報酬と読み取れない事はないですが、ここでは保守的に考えています。

3.役員の選択制確定拠出年金(401K)加入は決算日後3月以内に

役員の選択制確定拠出年金(401K)への加入が、役員報酬の減額を伴うという前提に立つと、役員の加入時期は一定期間に限られそうです。

つまり、決算日から3ヶ月以内に開かれる定時株主総会のタイミングです。

ここで実際の役員報酬の決定を行うのと同時に、本人が拠出希望する額を会社として受け付けるのが、最も合理的と言えます。

※平成27年4月時点では国税庁の通達がないため、上記以外の方法については個別企業の顧問税理士から所管税務署にご確認下さい。

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【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)