選択制確定拠出年金_掛金

計画的な老後資金の確保に有効な選択制確定拠出年金(401K)。毎月の掛金の仕組みはどのようになっているのでしょうか。

 

選択制確定拠出年(401K)の月々の拠出額

1.現行の制度では掛金は最大55,000円まで

下の図通り、他の企業年金制度を利用している場合とそうでない場合で、月額の掛金限度額が異なります。

会社の種類 掛金の限度額
厚生年金基金、適格退職年金、確定給付企業年金を実施している会社 月額27,500円
厚生年金基金、適格退職年金、確定給付企業年金を実施していない会社 月額55,000円

選択制確定拠出年金(401K)は給与規定で設定する枠内で従業員が拠出額を自由に選択できる制度です。

一般的には最大55,000円から最低0円まで、数パターンの拠出プランの中から従業員が自由に選択します。

コース 401K拠出金 前払額 合計
A 55,000 0 55,000
B 50,000 5,000 55,000
D 45,000 10,000 55,000
(中略)
K 10,000 45,000 55,000
L 5,000 50,000 55,000
M 3,000 52,000 55,000

(拠出金プランの一例)

なお掛金の変更も「規程の定め通り」の運用となりますが、毎月変更すると会社側の管理が大変なので、一般的には年1~4回程度です。

2.賞与でいつもより多く掛金を拠出することはできる?

結論から言うと、選択制確定拠出年金(401K)への賞与時の「割増拠出」は可能です。方法は2つあります。

①毎月掛金拠出額を変更できる体制にする
→これは会社の労力を考えるとお勧めできません。

②賞与支給額を社内貯蓄し、翌月以降の拠出額へ配分する
→給与規定で設定する必要があります。

尚、②についても毎月の最高限度額が55,000円である事には変わりありません。

3.拠出限度額が法改正で月から年単位に

平成29年法改正で選択制確定拠出年金(401K)への毎月の掛金拠出限度額が変更される見込みです。

現在「月の限度枠」の制度であるのに対して、改正案では「年の限度枠」となります。

これにより、年度末の賞与が予想以上に多く支給された場合、年間枠の残りへ一気に拠出することができるようになります。

※年をいつで区切かは未定です。

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特定の社員に会社が掛金を上積みすることはできる?

1.選択制確定拠出年金(401K)は原則従業員の選択

選択制確定拠出年金(401K)への掛金拠出は、原則従業員の選択制です。

また、選択制確定拠出年金(401K)においては「マッチング拠出」の概念は原則としてありません。

マッチング拠出する位なら、選択制確定拠出年金(401K)における掛金最大値を選択すればよいからです。

2.会社が特定社員に多く拠出することはできるか?

では特定の社員に会社が多く拠出することは可能でしょうか。

結論としては不可能です。

例えば、給与規定で選択制確定拠出年金(401K)への掛金拠出額の最大値を55,000円で設計します。

従業員が自らの選択で30,000円拠出します。

ここに企業が25,000円給与を増やします。これをそのまま選択制確定拠出年金(401K)へ拠出すれば、55,000円となります。

つまり、「昇給」→「拠出」が確実に行われるのであれば、特定の社員に多く拠出することは可能です。

しかし実際には、

・給与規定に基づかない昇給であること
・半強制的な拠出であること

から考えると、制度としては成り立ち得ないでしょう。

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休職中も選択制確定拠出年金(401K)の掛金は拠出するのか?

1.育児休業と介護休業

育児休業と介護休業はともに「育児介護休業法」で定められています。

一定の条件に合致した場合、会社は原則として育児休業・介護休業を拒むことはできません。

2.育児休業の取得要件

原則として育児休業を取得できるのは次の要件を満たす方です。

・子が1歳未満であること
・1年以上雇用されていること
・子が1歳になった後も継続雇用されること

3.介護休業の取得要件

同じく介護休業の取得要件は次の通りです。

・法律上の「要介護状態」の家族を介護すること
・1年以上雇用されている事
・介護休業開始から93日(約3カ月)経過後も雇用されること

4.産前産後休業

産前産後休業とは産前42日(多胎妊娠の場合は98日)産後56日の休業のことです。

この期間は母体保護の観点から、原則として就労することはできません。

5.休業中の掛金の拠出

厚生労働省の見解では、

「掛金は(中略)給与が支給されておらず、合理的な理由があり、かつ、労使合意のうえ規約に明確に規定されているのであれば中断も可能」

としています。規約で明記すれば育児・介護・産前産後休業中の掛金中断も可能という事です。

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労務専門コラム 選択制確定拠出年金運営編

>>①転職先も確定拠出年金を導入している場合はどうなる?
>>②選択制確定拠出年金(401K)とマッチング拠出の違い
>>③公務員へ転職する場合の確定拠出年金(401K)
>>④選択制確定拠出年金(401K)の掛金は?(今このページです)
>>⑤確定拠出年金はいつ受給できる?
>>⑥選択制確定拠出年金(401K)の加入者要件
>>⑦役員も選択制確定拠出年金(401K)に加入できるのか?
>>⑧確定拠出年金(401K)の運用商品を知ろう!
>>⑨確定拠出年金(401K)導入急増
>>このカテゴリ(選択制確定拠出年金運営編)のトップへ戻る

 

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【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)