人事制度解雇残業労務管理_公務員への転職と確定拠出年金

確定拠出年金(401K)は、拠出された掛金が「個人」ごとに明確に区分され、掛金とその運用収益との合計額をもとに年金給付額が決定される年金制度です。つまり確定拠出年金(401K)は「個人」の財産であり、転職・離職の際にも、自分の年金資産を自由に持ち運べるのです。

ここでは比較的若い社員が公務員へ転職する場合を取り上げて検討します。

 

公務員は確定拠出年金(401K)に加入できる?

1.転職して公務員になったら確定拠出年金(401K)はどうなる?

平成27年現在、企業型確定拠出年金(401K)の加入者が転職して公務員になった場合、個人型年金への加入資格はありません。

よってこの場合、企業型年金において今まで積み立てている年金資産(個人別管理資産)を個人型年金に移換し、「運用」だけを行います。

しかし、公的年金の目減りがさけられない中、老後の備えを厚くするため、今後は「私的年金の一種である確定拠出年金(401K)の条件を緩め、主婦や公務員など誰でも使えるようにする」

という法改正の動きがあります。確定拠出年金(401K)の改正法案が成立すれば、公務員も個人型の確定拠出年金を利用できるようになります。

2.公務員に転職する場合の手続きの流れ

平成27年現在の制度では「個人別管理資産移換依頼書」を運営管理機関に提出し、まずは個人型年金に移換します。資産の移換完了までは、およそ2カ月から3カ月程度かかります。

その後、個人型確定拠出年金(401K)の運用指図者となり、拠出している範囲内に限り運用指図を行います。

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脱退一時金を請求できる要件

1.公務員に転職して確定拠出年金を脱退する

企業型確定拠出年金(401K)の加入者であったものが、公務員に転職した場合を考えます。

以下の要件をすべて満たす場合に脱退一時金の受給を選択することができます。

・60歳未満であること
・企業型年金の加入者ではないこと
・個人型年金の加入者になれないこと
・確定拠出年金(401K)の障害給付金の受給権者ではないこと
・通算拠出期間が3年以下か、又は個人別管理資産額が50万円以下であること
・企業型年金の加入者資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと
・企業型確定拠出年金(401K)の資格喪失時に脱退一時金の支給を受けていないこと

2.公務員に転職する際の注意事項

企業型年金加入者資格を喪失した後、所定の期間内に個人型確定拠出年金(401K)への移換または脱退一時金の手続きを取らなかった場合、

確定拠出年金法第83条に基づき、個人別管理資産は自動的に売却、現金化され、国民年金基金連合会に移し換えられますので早めの手続きが必要です。

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労務専門コラム 選択制確定拠出年金運営編

>>①転職先も確定拠出年金を導入している場合はどうなる?
>>②選択制確定拠出年金(401K)とマッチング拠出の違い
>>③公務員へ転職する場合の確定拠出年金(401K) (今このページです)
>>④選択制確定拠出年金(401K)の掛金は?
>>⑤確定拠出年金はいつ受給できる?
>>⑥選択制確定拠出年金(401K)の加入者要件
>>⑦役員も選択制確定拠出年金(401K)に加入できるのか?
>>⑧確定拠出年金(401K)の運用商品を知ろう!
>>⑨確定拠出年金(401K)導入急増
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【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)