実際の帳票へのマイナンバー記入はさほど難しいものでもありません。

企業における「マイナンバー対応」の難しさは、安全管理措置のことです。

ここでは企業の対応手順、安全管理措置のフローを確認しましょう。

このフローは「特定個人情報保護委員会」のガイドラインに沿って、著者が実務家向けにアレンジを加えています。

 

マイナンバー企業対応(導入フロー)

1.マイナンバー事務を明確化しよう

特定個人情報の理解は大丈夫ですね?理解不十分の場合は、「特定個人情報」をご確認ください。

企業内では、

「マイナンバー対応!どうする?だれが?いつから!?」

という声が出ていることでしょうね。まず第一に手をつけるべきなのは、マイナンバー事務を定義づけることです。

企業が行うべきマイナンバー記載書類はおよそ列挙することができます。

しかし、実際のこれらの書類に関与している社内の部署は一つではないはずです。例えば、

①給与所得の源泉所得税徴収事務・・・経理課

②健康保険・厚生年金の資格取得事務・・・総務課

さらに細かく言うと、「給与所得の源泉徴収事務」も次のように細分類できます。

①-1 月次給与計算事務
①-2 月次源泉所得税徴収事務
①-3 月次源泉所得税納付事務
①-4 月次源泉徴収簿記載事務
①-5 年末調整 情報入力事務
①-6 年末調整 所得税確定事務
①-7 源泉徴収票発行事務

など

会社の給与計算システムにもよりますが、確実にマイナンバー事務と言えるのは「①-7源泉徴収票発行事務」です。

その他はマイナンバーとは直接関係することはありませんが、給与計算システムの都合上マイナンバーに触れてしまう可能性があります。

よって、企業としてはまずマイナンバー事務がどれに該当するのかを明確に定める必要があるのです。

2.マイナンバー事務とセットで利用する特定個人情報を明確にしよう

マイナンバー事務とマイナンバー事務で使う特定個人情報を関連付けしていきます。

具体的には次のような関連付けです。

「源泉徴収票発行事務」・・・「マイナンバー、住所、氏名、生年月日」

「健康保険厚生年金資格取得事務」・・・「マイナンバー、住所、氏名、生年月日、扶養親族の同内容」

大阪の社会保険労務士顧問_マイナンバー導入の流れ

 

3.マイナンバー事務担当者を明確にしよう

ここまでで、「マイナンバー事務」、「マイナンバーで利用する特定個人情報」が明確になりました。

次のステップではマイナンバー事務を実際に行う担当者を明確にします。

これは通常の業務の中で、臨機応変にピンチヒッターとして助け合う精神とは別次元の問題です。

つまり、マイナンバー事務を明確化し、担当者を確定することで、

「特定の人、以外はマイナンバー事務を行ってはいけない」

ということを確定させるのです。

担当者を明確にする場合は、個人名で特定しても構いませんが、部署・役職名で定めてもよいでしょう。

4.自社オリジナルのマイナンバー基本方針・取扱規程をつくろう

基本方針では主に次のような内容を定めます。

・マイナンバー法関連法令、マイナンバーガイドラインの明示と遵守姿勢
・安全管理措置をどのように行うか
・対応窓口

取扱規程は各マイナンバー事務ごとの具体的な業務フローのことです。

・初回のマイナンバーの提出の仕方
・マイナンバー事務に必要な書類の受け渡しの方法と時期、受け取り担当者
・マイナンバー事務に必要な書類を受け取った担当者のその後の行動

等をこと細かく規程していきます。

 

(※近日具体的な規程をアップしますのでしばらくお待ちください)
取扱規程の作成は、中小企業(100名以下)には大変な負担となるため、文書作成は義務付けられていません。

 

労務専門コラム マイナンバーの章

>>①マイナンバーカード、通知カードって何?
>>②子供や外国籍の人にもマイナンバーが通知されるの?
>>③会社は誰から、何のためにマイナンバーを提出してもらうの?
>>④マイナンバー取得時の「本人確認」って何?
>>⑤会社がマイナンバーを使用・外部提供するときの注意点
>>⑥総務担当者はマイナンバー情報の漏えいに注意を!
>>⑦マイナンバー管理の注意点と廃棄時期
>>⑧会社総務のマイナンバー管理体制を作ろう
>>⑨マイナンバー対応 企業の対応の手順はこうだ!(今このページです)
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【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)