職業経験や知識面の不足から安定的な就職チャンスに恵まれない人がいます。

そのような求職者が安定した職に就くために、一定期間試行的に雇用する事業主を支援する制度です。

本コラムでは、この「トライアル雇用奨励金」について解説します。

 

トライアル雇用奨励金の対象措置

本奨励金は、対象となる事業主が対象労働者を特定の条件で雇い入れた場合に受給することができます。

以下では、それぞれ必要な要件を確認します。

1.トライアル雇用の対象労働者

対象労働者は、以下の①~④のすべての条件に該当する者です。

①ハローワーク・紹介事業者等に求職申込みをしている者であること
②正社員になるため、トライアル雇用制度の利用を希望していること
③職業紹介の日に安定した職業等に就いていないこと等
④職業紹介日において未経験の職業に就くことを希望すること等

2.雇い入れの条件

本奨励金を受給するためには、以下の3つの条件を満たす雇い入れでなければなりません。

①ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介による雇い入れであること
②原則3か月のトライアル雇用をすること
③1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度であること

3.雇い入れの注意点

雇い入れの際、注意すべき主要なポイントを紹介します。
以下の場合には、支給対象となりません。

①ハローワーク・職業紹介事業者等の紹介を受ける前から内定があった場合
②対象労働者が過去3年間に自社で就労経験がある場合(アルバイト等も含む)
③対象労働者が会社の代表者の3親等内の親族である場合

 

トライアル雇用奨励金の対象事業主

1.事業主が満たすべき条件

事業主が以下の①~③の要件を満たすことが前提です。

①雇用保険適用事業所の事業主であること
②支給のための審査(労働局等が実施)に協力すること
③申請期間内に申請をすること

※支給申請日から過去1年以内に、労働関係法令の違反があった事業主は対象外になるので注意が必要です。

 

トライアル雇用奨励金の受給額

本奨励金は、原則1人あたり月額4万円が支給されます。(出勤率により、1~4万円で差が生じます)

※対象労働者が母子家庭の母等(父子家庭の父)である場合は、1.25倍

本奨励金は、支給対象者の雇い入れの日から1か月単位で最長3か月間支給されます。

※支給対象期間中の各月の合計額がまとめて1回で支給されます。

 

受給手続

本奨励金を受給するためには、以下の①~②の順に手続をする必要があります。

①計画書の提出
トライアル雇用開始の日から2週間以内にハローワークにトライアル雇用実施計画書等を提出

②支給申請
トライアル雇用終了日の翌日から2か月以内に管轄の労働局へ支給申請

【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
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 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)