キャリアアップ助成金(処遇改善コース)は次の4種類の助成金制度に分かれています。

【このページの目次】

1.賃金テーブル改定
2.健康診断制度
3.賃金テーブル共通化
4.短時間労働者の労働時間延長(社会保険加入)

 

 

1.キャリアアップ助成金 処遇改善コース
・ ・(賃金テーブル改訂)

処遇改善コースは、有期契約労働者等の賃金をアップさせた事業主に払われる助成金です。

具体的には、以下で詳しく解説しますが、賃金テーブル等の2%以上をアップさせる必要があります。

①処遇改善コース(賃金テーブル改訂)の受給額

賃金増額の対象者 一人当たり助成額
中小企業 大企業
全有期契約労働者 3万円 2万円
一部の有期契約労働者 1.5万円 1万円

※1年度1事業所100人までです。

※職務評価により処遇改善を実施した場合は助成額が加算されます。加算額:1事業所当たり20万円(大企業は15万円)

 

②用語解説

1.賃金テーブル

賃金テーブルとは、有期契約者等の基本給計算の基礎となる単価(時給など)を整理した一覧表のことです。

 

2.賃金テーブルのイメージ図

賃金テーブルは以下のようなものです。

賃金テーブル

 

③受給要件

事業主は、以下の1~6のすべての要件を満たす必要があります。

1.賃金テーブル等を作成していること
2.既存の賃金テーブル等を2%以上増額改定し、有期契約労働者等に適用し昇給させたこと
3.増額改定「前」の賃金テーブル等を3ヶ月以上運用していたこと
4.増額改定「後」の賃金テーブル等を6ヶ月以上運用していること
5.支給申請日において増額改定後の賃金テーブル等を減額、あるいは廃止していないこと
6.職務評価を経て処遇改善を行う場合は、有期契約労働者等を対象に職務評価を実施すること

※⑥は職務評価を経て処遇改善を行う場合です。

 

④対象労働者

本助成金で対象となる労働者は以下の1~4のすべての要件を満たす者です。

1.増額改定日の前日から過去3ヶ月以上前からその事業主に雇用されている有期契約労働者等であること
2.増額改定した賃金テーブルを適用され、かつ、改定前の基本給が2%以上昇給していること
3.増額改定日に、その事業主の事業所における雇用保険被保険者であること
4.支給申請日に離職していないこと

 

 

2.キャリアアップ助成金 処遇改善コース
・ ・(健康診断制度)

そもそも会社には「常時使用する労働者」、つまり正社員にはいくつかの場面で法律上当然に健康診断を受けさせる義務があります。

雇入時健康診断や定期健康診断は、会社が正社員に義務として行わなければならないものの代表格といってよいでしょう。

正社員に健康診断を実施するのは会社の義務であり、これに対して本助成金が出るわけではありません。

本助成金は、あくまで「常時使用する労働者ではない労働者に、特定の健康診断を会社が行った場合が対象になることに注意して下さい。

①処遇改善コース(健康診断制度)の受給額

1事業所当たり40万円(大企業は30万円)です。

1事業所当たり1回のみです。ご注意ください。

 

②受給要件

事業主は、以下の1~5のすべての要件を満たす必要があります。

1.キャリアアップ計画認定後に、正社員以外に健康診断を受けさせる規定を就業規則に明記すること
2.1の制度に基づいて自己が雇っている正社員以外の労働者の健康診断をのべ4人以上実施すること
3.支給申請日においてその健康診断制度を継続中であること
4.雇入時健康診断と定期健康診断は、全額会社負担であることを就業規則に明記し、実際会社が負担したこと
 ※人間ドックと生活習慣病予防検診は半額以上の会社負担とすること
5.合理的な理由に基づき対象者を限定する場合は、要件を就業規則に明記していること

③対象労働者のタイプ

本助成金で対象となる労働者は以下の1~3のすべての要件を満たす者です。

1.その事業主に雇用されている有期契約労働者等であること(つまり、正社員でないこと)
2.健康診断等を受診する日に、その事業主の事業所において雇用保険被保険者であること
3.支給申請日において離職していない者であること

④助成金の対象となる健康診断のタイプ

本助成金では、以下①~④の健康診断のタイプがあります。

1.雇入時健康診断…正社員を雇う時に行う健康診断
2.定期健康診断…正社員に対して行う定期的な健康診断
3.人間ドック…がん検診等の健康診断
4.生活習慣病予防検診…人間ドックの検査項目の中で自己が選択した検査項目についての健康診断

 

⑤健康管理コースの受給手続

①キャリアアップ計画の作成・提出
②就業規則等に健康診断制度を規定する
③健康診断をのべ4人以上に実施する
④支給申請※

※対象労働者のべ4人以上に健康診断を実施した日の翌日から2ヶ月以内に申請しなければなりません。

 

3.キャリアアップ助成金 処遇改善コース
・ ・(賃金テーブル共通化

制作中

 

 

 

4.キャリアアップ助成金 処遇改善コース
・ ・短時間労働者の週所定労働時間延長)

本コースの趣旨は、今まで労働時間が短いことで社会保険に加入できなかった労働者を社会保険に加入させることです。

ここで言う、「短時間労働者」とは、その会社の正社員の1週間の所定労働時間よりも短い労働者を指します。

現在の社会保険(厚生年金や健康保険)に加入するためには、1週間の所定労働時間がおおむね30時間必要です。

したがって、短時間労働者の多くは、この1週間の所定労働時間の壁により、社会保険に加入することができない状態にあります。

社会保険に加入できる程度の労働時間に延長し、社会保険に加入させた事業主を応援することが本助成金の趣旨なのです。

①短間労働者の週所定労働時間延長コースの受給額

1人当たり10万円(大企業は7.5万円)です。

多様な正社員コースの人数と合計し、1年度1事業所当たり10人までです。

 

②短時間労働者の週所定労働時間延長コースの受給要件

事業主は、以下の①~④のすべての要件を満たす必要があります。

①今まで週所定労働時間が25時間未満だった有期契約労働者等の労働時間を週30時間以上に延長すること
②①の労働者を6ヶ月間雇用し、実際に6ヶ月間賃金を払っていること
③①の労働者を雇用保険と社会保険に加入させていること
④労働時間延長決定の際、変更後の労働時間と社会保険加入状況を明確にした契約書を作成し、渡していること

 

③対象労働者のタイプ

本助成金で対象となる労働者は以下の①~④のすべての要件を満たす者です。

①その事業主に雇用されている有期契約労働者等であること
②労働時間延長前から6ヶ月以上雇われていること
③労働時間延長前の過去6ヶ月間、社会保険に加入していないこと
④支給申請日において離職していない者であること

 

④受給手続

1.キャリアアップ計画の作成・提出
2.週所定労働時間の延長を実施
3.延長後6ヶ月間の賃金を支給
4.支給申請※

※労働時間延長後6か月分の賃金を支給した日の翌日から2ヶ月以内に支給申請してください。

 

 

キャリアアップ助成金 処遇改善4コースの手続

1.全コースに共通の受給要件

個別の受給要件を確認する前に、全コース共通の受給要件を確認します。

事業主は以下の4つの条件を満たしている必要があります。

①雇用保険適用事業所であること
②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること
③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の認定を受けたこと
④キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだこと

※キャリアアップ計画書(訓練計画届)は、原則、コース実施の前日から起算して1か月前までに管轄労働局長に提出します。

 

2.手続の流れ

①キャリアアップ計画の作成・提出
②賃金テーブル等の増額改定の実施
③増額改定後の賃金テーブル等に基づき6ヶ月分の賃金を支給
④支給申請※

※増額改定後6ヶ月分の賃金を支給した日の翌日から2ヶ月以内に申請してください。

 

3.提出物・提出先

提出物…認定申請時:キャリアアップ計画書
支給申請時:支給申請書、添付書類

提出先…ハローワーク、または労働局

 

4.注意点

最初にキャリアップ計画書の提出が必要です。提出後に就業規則等の変更をしましょう。

提出の順番や時期が異なると助成金支給対象外になる可能性がありますので、注意しましょう。

 

大阪の助成金申請_活用経営

 

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【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)