キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者など「非正規雇用労働者」の企業内でのキャリアアップ等を促進するため、「柔軟な働き方制度」に取り組んだ事業主に対する助成金制度です。

 

キャリアアップ助成金(正社員化コース)受給額

1.受給額 (①~⑥は1人当たりの受給額)

 種類 具体的事例  受給額
①「有期」→「正規」 契約社員を正社員に転換  60万円
②「有期」→「無期」 契約社員の期間条件を外す  30万円
③「無期」→「正規」 パートを正社員に転換  30万円
④「有期」→「多様な正社員※」 契約社員を多様な正社員に転換 40万円
⑤「無期」→「多様な正社員」 パートを多様な正社員に転換 10万円
⑥「多様な正社員」→「正規」 多様な正社員を通常正社員に転換 20万円
制度創設 多様な正社員制度を新たに規定 10万円

 

※多様な正社員の内訳

1.勤務地限定正社員

勤務地限定正社員とは、以下の①~⑤の条件をすべて満たす労働者です。

なお、これらの要件は職務限定正社員や短時間正社員にも多く共通している要件です。

①期間の定めのない労働契約を締結していること
②派遣労働者ではないこと
③所定労働時間が他の正社員と同等であること
④勤務地が限定されていること
 ※限定とは、勤務地が複数ある場合に勤務地を特定の場所に決めることを言います。
⑤他の正社員と同じ労働条件(賞与や退職金等)が適用されていること

2.職務限定正社員

職務限定性社員とは、上記の勤務地限定正社員の要件のうち④の要件を「職務が限定されていること」に置換えた労働者です。

3.短時間正社員

短時間正社員とは、上記の勤務地限定正社員の要件のうち①+②+⑤+所定労働時間が他の正社員よりも短縮されている労働者です。

 

受給上限人数と加算額

1年度1事業所当たり15人(②は10人)までが上限です。

次に、対象者がシングルマザー、シングルファーザーの場合は、①の場合10万円、②~⑤の場合5万円が1人当たり加算されます。

また、派遣労働者を直接雇用した場合は、①③の場合30万円、④⑤の場合15万円が1人当たり加算されます。

 

受給要件

1.事業所の要件

個別の受給要件を確認する前に、全コース共通の受給要件を確認します。事業主は以下の4つの条件を満たしている必要があります。

① 雇用保険適用事業所であること
② 雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いていること
③ 雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に対し、キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の認定を受けたこと
④キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだこと

※キャリアアップ計画書(訓練計画届)は、原則、コース実施の前日から起算して1か月前までに管轄労働局長に提出します。

 

2.対象労働者の要件

対象労働者に対して以下の要件を満たす必要があります。

・制度の適用後6ヶ月を経過していること
・適用労働者に対して、実際に6ヶ月分の賃金を支払っていること
・支給申請日において制度を継続していること
・無期雇用に転換または直接雇用した場合は、適用者の基本給が以前と比べて5%以上昇給していること

 

受給手続き

①キャリアアップ計画の作成・提出
②就業規則等に転換制度等を規定
③転換・直接雇用時に、就業規則等の転換制度に規定した試験等を実施
④多様な正社員への転換・直接雇用等を実施
⑤6ヶ月分の賃金を支給・支給申請

 

【この記事の執筆者】

井ノ上 剛(いのうえ ごう)
◆1975年生 奈良県立畝傍高校卒 / 同志社大学法学部卒
◆社会保険労務士、行政書士、奈良県橿原市議会議員
タスクマン合同法務事務所 代表
 〒542-0066 大阪市中央区瓦屋町3-7-3イースマイルビル
 (電話)06-7739-2538 
(投稿日時点の法制度に基づき執筆しています。)